2025/09/12
高回数でトレーニングすれば筋肉は細くなる?
科学的に見て何が正しいか…
「筋トレのレップ数(回数)を多くすれば、筋肉は細く引き締まる」という話を聞いたことがある人は多いと思います。
特に女性への指導で「15〜20回を基本にすればムキムキにならない」「細くなる」という表現をするトレーナーもいます。
でも、これは科学的な裏付けが弱く、誤解を招きやすい言い回しです。以下、科学的根拠からQ&A形式で説明をします。
高回数トレーニングで筋肉は細くなる?──科学的根拠付きFAQ
Q1. 高回数(15回以上)のトレーニングをすれば筋肉は細くなるって本当?
A. いいえ。
筋肉は「刺激を受ければ太くなる or 維持される」性質を持っています。細くなるのは「使わない場合(萎縮)」です。
高回数トレーニングは「筋持久力」を高める刺激になりますが、「細くする効果」はありません。
Q2. レップ数はどう分類されるの?
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低回数(1〜5回) → 筋力向上
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中回数(6〜12回) → 筋肥大に最適
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高回数(15回以上) → 筋持久力向上
筋肉を効率よく育て、代謝を高めたいなら「6〜12回の中回数」が基本です。
Q3. じゃあ、高回数は意味がないの?
A. 意味はあります。
高回数トレーニングは「乳酸耐性」や「筋持久力」を高めるのに有効です。
ただし、筋肉を「細くする」効果はなく、ダイエット目的で使う場合は 中回数との組み合わせ が理想です。
乳酸耐性とは?
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筋肉を動かすとき、エネルギーを作る過程で「乳酸」という物質が出ます。
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乳酸がたまると「筋肉が熱くなる」「パンパンに張る」「動かしにくい」という状態になります。
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乳酸耐性がある人=乳酸がたまっても動き続けられる人。
👉 まとめると、乳酸耐性とは 「キツさに耐えて動き続けられる筋肉のタフさ」のことです。
Q4. 女性の指導で「全部15〜20回やりましょう」と言うトレーナーが多いのはなぜ?
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初心者でも扱いやすく安全
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「ムキムキにならない」という心理的安心感を与えやすい
ただし、全てを高回数で統一する指導は非効率。筋肥大や代謝改善を狙うなら、重量や回数の調整が必要です。
注意喚起:指導現場で見られる「高回数万能論」の問題点
以下は、トレーニング指導・実践で注意すべき点です。
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目的に応じた強度/回数設定が不足していることが多い
「女性だから」「初心者だから」といった理由で、強度の調整なしに全ての種目を15〜20回という指示を出すトレーナーがいます。これは安全面では確かに低リスクですが、筋肥大・代謝アップ・ボディシェイプを効率よく達成するためには非効率であることも多いです。 -
総トレーニングボリュームや重さの管理が疎かになりがち
回数だけでなく、一回あたりの負荷 (%1RM)、セット数、休息時間、フォーム、頻度などがトータルで筋肉への刺激を決定します。高回数で負荷が低すぎて強度が不十分な場合、「筋肉を鍛えている」という実感だけで実際の成長・代謝改善は乏しいことがあります。 -
過剰な疲労や回復不足のリスク
特に高回数を多数の種目で取り入れると、代謝的・筋肉疲労的・神経的な負荷が積み重なり、回復が追いつかない場合があります。これはオーバートレーニングや怪我のリスクを増やす可能性があります。 -
誤解によるモチベーション低下
「高回数さえやれば細くなる」「引き締まる」という期待があると、思った成果が出なかったときに失望しやすく、継続性を阻害することがあります。「筋肉を維持・増やす」「体脂肪を減らす」など期待値を正しく持つことが重要です。
Q5. 筋肉と代謝を高めてリバウンドを防ぐには?
安静時にエネルギーを消費する「UCP-3」というタンパク質が鍵になります。
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UCP-3は 速筋線維(特にII型) に多い
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中回数(6〜10回)で強度高めのトレーニングが、速筋線維の刺激に効果的
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これにより代謝効率が高まり、リバウンドのリスクを下げやすい
Q6. 実際の研究ではどう言われているの?
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Schoenfeld et al. 2017(メタ分析)
高回数でも低回数でも、総負荷が等しければ筋肥大は起きる。ただし筋力向上は低回数が優れる。 -
Physiology Journal 2001, 2003
UCP-3は速筋線維に多く、強い刺激で発現が増加。代謝効率を上げる可能性あり。 -
Endurance Training Study(2003, PubMed 12634927)
持久系の長期トレーニングでは逆にUCP-3が低下する例も報告。刺激の種類で反応は変わる。
👉 つまり、「高回数万能論」は科学的に誤り。目的に応じた回数・強度が必要です。
結論
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高回数で筋肉が細くなることはない
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「細く引き締まる」という表現は誤解を生みやすい
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代謝を上げ、リバウンドを防ぐなら 中回数・強度高めのトレーニング が最適
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高回数は「補助的に」活用するのがベスト
ボディビルダーなどの競技者は、低回数→高回数のトレーニングをおこなうことが多いですが、これは筋肥大(筋肉を大きくする)のメカニズムをフルカバーするためにおこなっています。一般的なダイエットやボディメイクには、ここまでおこなう重要性は薄いと考えられます。
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