2026/10/16
筋トレ・ランニング・HIIT・腹筋・心拍数の考え方
妊娠すると、
「運動は控えた方がいいのかな?」
「筋トレはやめるべき?」
「走ったり、心拍数が上がったりすると赤ちゃんに悪い?」
と心配になることがあります。
反対に、
「妊娠前から運動していたなら、そのまま続けても大丈夫」
という話を聞くこともあります。
実は、どちらも少し単純すぎます。
今回、いちばん大切だったのは、
妊娠中の運動を、全部まとめて
「安全」「危険」と決めないこと
でした。
禁忌や合併症のない妊娠では、
適切に調整した運動は基本的に勧められています。
ただし、
ウォーキングや中くらいの強さの運動について
分かっていることを、そのまま高重量の筋トレや
全力に近いHIITへ広げることはできません。
かんたんに言うと
「妊娠したから全部ダメ」でも、
「元気だから何でもOK」でもありません。
「何を」「どのくらい」するのかを見る必要があります。
1.まず、すべての妊婦さんが同じではありません
今回の監査では、
最初に妊娠の状態を分けました。
大きく分けると、
① 禁忌や合併症がない妊娠
② 医学的・産科的な注意が必要な妊娠
③ 一般的な運動をそのまま行わず、医療側で個別に判断する必要がある状態
です。
この記事で
「妊娠中の運動は基本的に勧められる」
と書いているのは、主に①の人についてです。
医師などから運動制限を受けている場合に、
この記事を読んで自己判断で解除する、
という意味ではありません。
かんたんに言うと
同じ「妊娠中」でも、
みんなが同じ運動をしていいわけではありません。
まず、自分の妊娠が一般的な運動の研究に当てはまるのかが大切です。
2.「妊娠中はできるだけ安静」が正しいわけではない
昔から、
「妊娠したらなるべく安静にした方が安全」
というイメージがあります。
今回の判定としては、
一部事実を含むが誤解を招きやすい
ものです。
禁忌や合併症のない妊娠で、
すべての運動を避ける方が
安全だという根拠はありません。
主に中くらいの強さの有酸素運動や、
調整した筋力トレーニングでは、
早産や低出生体重などが増えることは確認されていません。
ただし、ここでいう
「安静にしなくていい」は、
休まなくていい
という意味ではありません。
疲れている日は休む。
体調が悪ければ運動量を下げる。
医療上の理由で運動制限が必要な場合には、
その指示に従う。
これは別の話です。
かんたんに言うと
「休むこと」と
「ずっと動かない方が安全」
は同じではありません。
休息は必要です。
でも、健康な妊娠なら「動かないこと」
そのものが基本ルールではありません。
3.妊娠中の運動にはメリットもあります
妊娠中の運動は、
単に体重を増やさないためだけのものではありません。
研究では、
- 妊娠糖尿病
- 妊娠高血圧
- 子癇前症
- 帝王切開
- 妊娠中の気分
- 腰や骨盤まわりの痛み
- 尿もれ
などとの関係が調べられています。
たとえば、妊娠糖尿病については、
運動を行ったグループで
発症リスクが低かった研究が複数あります。
妊娠高血圧についても、
リスク低下を支持する結果があります。
ただし、
「運動すれば必ず妊娠糖尿病を防げる」
という意味ではありません。
そのため、この主張の判定は、
基本的には支持されるが、条件や例外がある
となります。
かんたんに言うと
運動は、
「病気にならない魔法」ではありません。
でも、集団全体で見ると、
いくつかの妊娠中のトラブルを
減らす方向に働くことがあります。
4.週150分は目標。でもノルマではありません
妊娠中の運動では、
週150分くらいの中強度運動
がよく目安として出てきます。
今回、この内容については、
基本的には支持されるが、条件や例外がある
という判定をします。
ただし、この150分は、
「149分では意味がない」
「150分を必ず達成しないといけない」
「150分までは安全で、それ以上は危険」
という数字ではありません。
短い運動を少しずつ行うことにも意味があります。
体調が悪い週に達成できなかったからといって、
失敗でもありません。
かんたんに言うと
150分は、
テストの合格点ではなく、目標の目安です。
10分、20分から始めても大丈夫です。
5.筋トレはしてはいけない?
これは比較的はっきりしています。
「妊娠中は筋トレをしてはいけない」
という主張は、
現在の根拠と明確に矛盾
します。
自重運動、バンド、ウェイトなどを使った
筋力トレーニングは、妊娠中の一般的な
運動の選択肢に含まれています。
ただし、
筋トレをしてよい
と、
どれだけ重いものでも持ってよい
は違います。
かんたんに言うと
「算数をしていい」と言っても、
いきなり大学の数学をしなさい、
という意味にはなりません。
筋トレも同じで、
種類が同じでも、難しさや強さは別に考えます。
6.高重量の筋トレは?
高重量の筋トレについては、
普通の筋トレより分かっていることが少なくなります。
今回の監査では、
「高重量トレーニングは妊娠中すべて禁止」
について、
主張を支える根拠が弱い
と考えます。
一方で、高重量・強い力みを
何か月も繰り返す長期的な安全性については、
研究量または研究の質が不足している
と言えます。
つまり、
「重いものを持ったら必ず危険」
とは言えません。
しかし、
「経験者なら妊娠前と同じ重量で問題ない」
とも言えません。
直接調べた研究はありますが、
小規模で、短時間の反応を見たものが中心です。
たとえば活動的な妊婦48人の研究では、
一人で運動後の胎児心拍低下、
一人で母体のめまいが記録されています。
かんたんに言うと
高重量筋トレは、
「危険だと決まった」わけでも、
「安全だと十分確認できた」わけでもありません。
だから、普通の筋トレより慎重に考えます。
7.息を止めたら危険?
筋トレでは、重いものを持つときに
一瞬息を止めて力むことがあります。
これを「Valsalva(バルサルバ)」と呼びます。
「妊娠中は息を止める動作を絶対にしてはいけない」
は、
一部事実を含むが誤解を招きやすい
と言えます。
Evidence Statusは、
研究量または研究の質が不足している
と言えます。
一瞬息が止まっただけで、
すぐ赤ちゃんに害が出ることが
証明されているわけではありません。
ただし、強い力みを長く何度も繰り返したときの
安全性は、十分分かっていません。
そのため、実際の運動では、
できるだけ呼吸を続けやすい負荷にする
という考え方が使いやすいでしょう。
かんたんに言うと
「一回息が止まったら危険」ではありません。
でも、
「ずっと強く踏ん張っても大丈夫」
とも分かっていません。
8.心拍数140を超えたら危険?
これもよく聞く話です。
「妊娠中は心拍数140bpmを超えてはいけない」
今回の判定は、
一部事実を含むが誤解を招きやすい
Evidence Statusは、
現時点では確定できない
と言えます。
全員に共通して、
「139なら安全」
「141なら危険」
と切り替わる線は確認されていません。
カナダのガイドラインでは、
中強度の参考心拍数に140を超える範囲も含まれています。
ただし、
「140制限は完全に昔の話で、もう気にしなくていい」
と言い切るのも正確ではありません。
ACOGの資料には
140bpmに関する目安の記載も残っています。
そのため、心拍数だけではなく、
- 会話できるか
- どれくらいきつく感じるか
- 症状がないか
- 妊娠経過に問題がないか
などを合わせて考えます。
かんたんに言うと
車の運転で、
速度メーターだけを見て安全を決めない
のと似ています。
道路、天気、周りの車も見ます。
運動も、心拍数だけでは決めません。
9.「少し息が弾むくらい」はどう見る?
運動強度を考える方法の一つが、
会話テスト
です。
中くらいの運動なら、
「少し息は弾むけれど、会話はできる」
くらいが一つの目安になります。
またRPEという、
「本人がどれくらいきついと感じるか」
を見る方法もあります。
ただし、経験者は強い運動に慣れているため、
「まだ平気」と感じても、実際の負荷がかなり高い場合があります。
そのため、これも単独では使いません。
かんたんに言うと
数字ひとつで決めない。
心拍数も、きつさも、会話できるかも、体調も一緒に見ます。
10.妊娠したらランニングはやめるべき?
妊娠前から走っていた人について、
「妊娠したらランニングは中止すべき」
という主張は、
一部事実を含むが誤解を招きやすい
と言えます。
禁忌や合併症がなく、もともと走っていた人では、
体調や負荷を調整しながら続けられる場合があります。
ただし、
妊娠してから新しくランニングを始めても大丈夫
という問いになると、
現時点では判断できない
Evidence Statusは、
研究量または研究の質が不足している
となります。
つまり、
「運動を始めてよい」
ことと、
「走り始めてよい」
ことは同じではありません。
かんたんに言うと
今まで自転車に乗っていた人が続ける話と、
初めて自転車に乗る人の話は違います。
経験があるかどうかも大切です。
11.HIITは妊娠中は禁止?
HIITとは、強い運動と休憩をくり返すトレーニングです。
「HIITは妊娠中すべて禁止」
は、
主張を支える根拠が弱い
ただしHIITの長期的な安全性そのものは、
研究量または研究の質が不足している
と言えます。
選ばれた活動的な妊婦が、
監視された環境で短いHIITを行った研究はあります。
一方、2025年の研究では、
ランニングを使った強いインターバル運動中に、
一部の人で胎児心拍が一時的に下がり、
運動を止めて回復を待ったケースがありました。
これは、
「HIITをすると赤ちゃんに障害が起こる」
という証明ではありません。
しかし、
「お母さん本人が平気なら、赤ちゃんも必ず平気」
とは言えないことを示す大切な情報です。
そのため、
「妊娠前からHIITをしていたから、そのまま同じ条件で続けてよい」
は、
一部事実を含むが誤解を招きやすい
と言えます。
かんたんに言うと
HIITは、
全部禁止とも言えない。
でも、
全部大丈夫とも言えない。
普通の運動より、
まだ分からない部分が多い運動です。
12.ジャンプはしてはいけない?
「妊娠中はジャンプを全部禁止」
という主張は、
主張を支える根拠が弱い
です。
一方で、すべてのジャンプ動作が安全だと確認されているわけでもありません。
見るべきなのは、
- 転びやすさ
- 着地できるか
- 骨盤や腰が痛くないか
- 尿もれがないか
- お腹にぶつかる危険がないか
- その運動に慣れているか
といった条件です。
かんたんに言うと
「ジャンプ」という名前だけで決めません。
小さく跳ぶのと、強く高く何度も跳ぶのは違います。
13.腹筋運動は腹直筋離開を悪化させる?
これもよく聞く話です。
「妊娠中は腹筋運動をしてはいけない」
は、
一部事実を含むが誤解を招きやすい
と言えます。
また、
「腹筋運動をすると腹直筋離開が悪化する」
も、
一部事実を含むが誤解を招きやすい
と判定できます。
妊婦96人を対象にした研究では、
一部の腹筋運動を含むプログラムで、
腹直筋離開が大きく悪化する結果は確認されませんでした。
ただし、
「どんな腹筋運動でも大丈夫」
という研究ではありません。
また、
- 腹筋のすき間の幅
- お腹の働き
- 痛み
- お腹の中央が盛り上がるdoming
は、すべて同じものではありません。
見た目だけで「お腹が壊れている」と決めることもできません。
かんたんに言うと
お腹の真ん中が少し盛り上がったからといって、
すぐ「ケガをしている」とは言えません。
運動のやり方、痛み、動きにくさなども一緒に見ます。
14.妊娠20週を過ぎたら仰向けは禁止?
ここは、はっきり一つに決まっていない部分です。
「妊娠20週以降は仰向け運動を一切してはいけない」
は、
単純な正誤判定ができない
Evidence Statusは、
研究量または研究の質が不足している
と言えます。
長く仰向けになることを
避けるよう勧めるガイドラインがあります。
一方で、
「20週を超えたら一瞬でも仰向けになってはいけない」
という意味ではありません。
逆に、
「症状がなければ何分でも大丈夫」
も、
主張を支える根拠が弱い
で、
安全な時間は、
現時点では確定できない
です。
かんたんに言うと
「20週を過ぎたら仰向けゼロ秒」でも、
「気分が悪くなければ何時間でもOK」でもありません。
長く続けないようにしたり、
横向きや上体を起こした姿勢に変えたりします。
15.骨盤底筋は締めれば締めるほどいい?
骨盤底筋トレーニングには、
妊娠中の尿もれを予防する効果が期待できます。
一方で、
「妊娠中の全員が必ず骨盤底筋トレーニングをしないといけない」
は、
一部事実を含むが誤解を招きやすい
です。
また、
「骨盤底筋は強く締めれば締めるほどいい」
も、
一部事実を含むが誤解を招きやすい
です。
大切なのは、
締めることと、ゆるめることの両方
です。
すでに痛みがある人や、うまく力を抜けない人に、
「もっと強く、ずっと締めて」
と指導するのは適切ではありません。
かんたんに言うと
握りこぶしも、
ずっと力いっぱい握り続けるのが良いわけではありません。
力を入れることと、抜くことの両方が大切です。
16.妊娠前に運動していなかったら、始めない方がいい?
これはかなりはっきりしています。
「妊娠前に運動していなかった人は、
妊娠中から始めてはいけない」
は、
現在の根拠と明確に矛盾します。
禁忌がなければ、運動習慣がなかった人でも、
無理のない運動から段階的に始めることが
勧められています。
ただし、
「運動を始める」
と、
「いきなりHIITや高重量筋トレ、長距離走を始める」
は違います。
かんたんに言うと
運動初心者なら、
いきなり難しいことをする必要はありません。
まず歩くところからでも十分です。
17.妊娠初期・中期・後期で違うの?
違います。
でも、
「初期は運動禁止」
「中期なら何でもOK」
「後期は全部やめる」
という単純な分け方ではありません。
妊娠初期
普通の運動をすべて避ける根拠はありません。
ただし、つわり、疲労、暑さ、食事が取れないなど、
体調によって運動量を変える必要があります。
流産についても、一般的な運動でリスク増加は
確認されていませんが、
非常に早い時期や極端な運動量については
不確実さが残っています。
妊娠中期
お腹が大きくなり、姿勢や重心が変わります。
妊娠前と同じ運動でも、難しさが変わってきます。
妊娠後期
バランス、痛み、骨盤底の症状などの影響がさらに大きくなります。
妊娠前にできた動きだからといって、
同じ負荷を続ける必要はありません。
かんたんに言うと
妊娠中は、
同じ自分でも、体の条件が少しずつ変わります。
だから運動も一緒に変えていきます。
18.運動すると流産や早産が増える?
この不安はとても大きいと思います。
今回の監査では、
「妊娠中の運動は流産リスクを上げる」
は、
一部事実を含むが誤解を招きやすい
Evidence Statusは、
研究量または研究の質が不足している
と言えます。
また、
「妊娠中の運動は早産リスクを上げる」
も、
一部事実を含むが誤解を招きやすい
と言えるでしょう。
一般的な運動では、
早産が増えるという結果は確認されていません。
流産についても明確な増加は確認されていませんが、
特に妊娠初期や極端な運動量については研究上の限界があります。
かんたんに言うと
普通の運動をしたから、
「それだけで流産や早産になる」
と考える必要はありません。
でも、「どんな強さでも絶対に安全」
と言えるほど全部が分かっているわけでもありません。
19.運動すると赤ちゃんが小さくなる?
これも単純ではありません。
「運動すると赤ちゃんの出生体重が小さくなる」
は、
一部事実を含むが誤解を招きやすい
Evidence Statusは、
研究結果が一致していない
と言えます。
大切なのは、
平均出生体重が少し変わること
と、
赤ちゃんの成長が悪くなること
は同じではない、ということです。
一般的な運動で、
胎児発育不全や低出生体重が増える
という方向は支持されていません。
かんたんに言うと
「平均で少し軽かった」
と、
「育ちが悪かった」
は同じ意味ではありません。
20.「自分は元気だから大丈夫」は十分?
残念ながら、それだけでは十分ではありません。
「妊娠中の運動は、本人が元気なら安全と判断してよい」
は、
一部事実を含むが誤解を招きやすい
です。
本人が運動を続けられていても、
胎児心拍に変化が見られた研究があります。
もちろん、それが長期的な障害を
意味するわけではありません。
ただ、
「私は平気=赤ちゃんも必ず平気」
とは判断できないということです。
かんたんに言うと
車を運転している人が、
「自分は眠くないから全部安全」
と言っても、道路の状況まで分かるわけではありません。
自分の感覚は大切ですが、
それだけでは全部は分かりません。
21.こんな症状があったら運動を止める
妊娠中の運動では、
「何をするか」だけでなく、
「いつ止めるか」
も大切です。
今回確認した主な中止サインには、
- 性器出血
- 腹痛
- 規則的で痛みを伴う子宮収縮
- 羊水が漏れる、破水を疑う液体
- 運動前からの息苦しさ
- めまい・ふらつき
- 頭痛
- 胸痛
- バランスを保てないほどの筋力低下
- ふくらはぎの痛みや腫れ
があります。
日本の2023年の資料では、
胎動の減少・消失や、腹部の張り、下腹部の重い感じ
なども挙げられています。
こうした症状を、
「疲れているだけ」
「筋肉痛だろう」
と自己判断して続けないことが大切です。
かんたんに言うと
体が出している、
「これは止まって確認して」
というサインがあります。
我慢して続けることが強さではありません。
22.運動を避けるべき妊娠もあります
今回の記事の
「運動は基本的に勧められる」という内容は、
すべての妊娠にそのまま当てはまるわけではありません。
破水、早産陣痛、持続する出血、子癇前症、
胎児発育不全など、一般的な運動プログラムを
そのまま行わない方がよい状態があります。
また、貧血、心肺疾患、低栄養、妊娠高血圧などでは、
個別に相談が必要になる場合があります。
ただし、
「運動を避ける必要がある状態」
と、
「ずっと寝ていることが治療として効果的」
も同じではありません。
ここも分けて考える必要があります。
かんたんに言うと
運動しない方がいい人はいます。
でも、
「だから妊婦さんはみんな安静」
にはなりません。
23.まだ分からないこともたくさんあります
妊娠中の運動については、
かなり研究されています。
それでも、まだ分からないことがあります。
たとえば、
- とても重い筋トレを長期間続ける安全性
- 限界まで追い込むトレーニング
- 妊娠初期から長期間続けるHIIT
- HIITの安全な時間や休憩
- 一人ひとりの安全な心拍数上限
- 仰向けで安全な正確な時間
- 妊娠中から新しく始めるランニング
- ジャンプや高重量を新しく始める安全性
- 腹直筋離開を確実に予防できる腹筋方法
などです。
ここで大切なのは、
研究が少ない=危険
ではないこと。
同時に、
研究が少ない=安全
でもないことです。
かんたんに言うと
「分からない」は、
「ダメ」と同じ意味ではありません。
でも、
「大丈夫」とも言えません。
24.結局、妊娠中はどう運動すればいい?
禁忌や合併症がなく、
産科的な状態にも問題がない人では、
中くらいの強さの有酸素運動を中心に、
週150分程度を一つの目標として、
体調に合わせて行う
という考え方が基本になります。
筋力トレーニングも選択肢です。
ただし、経験者でも、
- 速度
- 距離
- 重量
- 回数
- セット数
- 休憩
- 姿勢
を妊娠前と同じにする必要はありません。
初心者なら、歩くなどの簡単な運動から始めていきます。
そして運動の目的は、
妊娠中に太らないこと
でも、
妊娠前と同じ記録を出すこと
でもありません。
体力、日常生活、体の機能、気分、
健康を支えるために行います。
25.今回の結論
今回のブログから、一番大切なことを一文にすると、
妊娠中の運動は、
「していい・してはいけない」
の二択ではありません。
禁忌や合併症のない妊娠で、一般的な運動を行う方向は、
かなり一貫して支持されています。
一方で、
高重量やHIITなどについては、
研究量または研究の質が不足している
領域が残っています。
だからこそ、
「妊娠したから禁止」
でも、
「妊娠前にできたからそのままでOK」
でもありません。
見るべきなのは、
誰が、何を、どのくらい、どんな状態で行うのか。
これが、現在の研究から考える妊娠中の運動の基本です。
結論まとめ
「妊娠中はできるだけ安静にした方が安全」
→ 一部事実を含むが誤解を招きやすい
「妊娠中は筋トレをしてはいけない」
→ 現在の根拠と明確に矛盾する
「心拍数140を超えたら危険」
→ 一部事実を含むが誤解を招きやすい
「HIITは妊娠中すべて禁止」
→ 主張を支える根拠が弱い
禁忌のない妊娠で通常の運動を勧める方向
→かなり一貫して支持されている
高重量・HIITの長期安全性
→ 研究量または研究の質が不足している
