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タンパク質は1回20g以上摂ると無駄?

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「20gまでしか吸収できない」は本当なのか

「タンパク質は1回20gまでしか吸収できない」

「それ以上食べても、余った分は尿になる」

そんな話を聞いたことはありませんか?

筋トレをしている人の中では、

「プロテインは1回20gで十分」

と言われることもあります。

でも、現在の研究を整理すると、

タンパク質は20gを超えたら吸収できなくなる、

というわけではありません。

一方で、

たくさん摂れば摂るほど筋肉が増える

というわけでもありません。 

今回大切なのは、

「吸収できる量」と

「筋肉づくりにちょうどよい量」は別

ということです。

 



まず結論から

健康な一般成人であれば、

1回の食事で30g、40gのタンパク質を摂ったからといって、

20gを超えた分が全部無駄になると心配する必要はありません。

実際には、20gを超えたタンパク質も体内に取り込まれ、

さまざまな場所で利用されます。 

ただし、

「じゃあ1回100g食べればもっと筋肉が増えるの?」

というと、そこまで単純ではありません。

 



「吸収」と「筋肉に使われる」は違う

ここが今回、一番大切なポイントです。

タンパク質を食べると、

まず体の中で分解されます。

そしてアミノ酸という小さな形になって、

腸から体の中へ取り込まれます。

これが、

吸収

です。

そのあとアミノ酸は、

  • 筋肉
  • 肝臓
  • 腸
  • 血液中のタンパク質
  • 酵素などの材料
  • エネルギー

など、いろいろなことに使われます。

つまり、

筋肉に使われなかった=吸収されなかった

ではありません。

 



かんたんに言うと

タンパク質を「荷物」だとすると、

腸から体の中に入ることが、

吸収

です。

その荷物が、

筋肉に届けられるのか、

肝臓で使われるのか、

エネルギーに使われるのか、

というのは、その後の話です。

「筋肉に全部行かなかったから、吸収されなかった」

ではありません。

 



では「20g」という数字はどこから来たの?

20gという数字には、研究上の理由があります。

昔の研究の一つでは、

若い男性が脚の筋トレをしたあとに、

0g、5g、10g、20g、40g

のタンパク質を摂りました。

その結果、

20gあたりで筋タンパク質合成がかなり高まり、

40gに増やしても明確な追加効果が見られなかった

という結果が出ました。 

ここから、

「20gで十分」

という考え方が広がった背景があります。

 

 



でも、この研究は「吸収の上限」を調べたわけではない

ここが重要です。

この研究が見ていたのは、

筋タンパク質合成

です。

これは、

筋肉の中で新しいタンパク質を作る反応です。

つまり、

「20gを超えたら吸収できない」

を調べた研究ではありません。

 



かんたんに言うと

研究で分かったのは、

「この条件では20gくらいで、筋肉を作る反応がかなり高くなった」

ということです。

それを、

「人間は20gまでしか吸収できない」

に言い換えるのは、意味が変わってしまいます。

 



20gを超えた分は尿になる?

これも、よくある誤解です。

タンパク質に含まれる窒素の一部は、

体の中で処理されて、

尿素

という形で尿から出ます。

これは普通のタンパク質代謝でも起こります。

でも、

20gを超えたタンパク質が、

そのまま全部尿に流れていくわけではありません。 

 



かんたんに言うと

食べたタンパク質が、

そのままトイレに捨てられるわけではありません。

体の中で使われたあとに出る

「残りかすの一部」が、尿として出るイメージです。

だから、

「20gを超えた分=全部ムダ」

ではありません。

 



では40g摂る意味はある?

場合によってはあります。

ある研究では、全身の筋トレをしたあとに、

20gと40gのホエイプロテイン

を比べました。

その結果、

40gの方が筋タンパク質合成が約20%高かった

と報告されています。 

つまり、

20gで必ず頭打ちになるわけではない

ということです。

 



でも「40gが正解」でもない

別の研究では、

20gと40gで大きな差が出なかった例もあります。

つまり、

  • どんな運動をしたか
  • どれくらい多くの筋肉を使ったか
  • 年齢
  • 食事状況
  • どんなタンパク質を摂ったか

などによって、反応は変わります。 

 



全身トレーニングなら多めに必要?

その可能性はあります。

脚だけのトレーニングより、

スクワット、ベンチプレス、

ローイングなどを組み合わせた

全身トレーニングの方が、

より多くの筋肉を使います。

そのため、

使った筋肉が多いほど、

より多くのタンパク質が役立つ可能性

はあります。

ただし、

「全身なら必ず40g」

と決まっているわけではありません。 

 



高齢者は少し多めに考える場合もある

年齢が上がると、

同じ量のタンパク質を摂っても、

若い人ほど強く筋タンパク質合成が

上がらないことがあります。

これを、

同化抵抗性

と呼ぶことがあります。

研究では、

若い男性では約0.24g/kg、

高齢男性では約0.40g/kg

付近で反応が変化する可能性が示されています。 

ただし、

高齢者は全員40g必要

という意味ではありません。

 



では、1回どれくらい摂ればいい?

一般的な目安としては、

1回20〜40g程度

または、

体重1kgあたり約0.3〜0.4g

あたりから考える方法があります。

でも、この数字は、

上限ではありません。

 



かんたんに言うと

20〜40gは、

「ここまでしか食べたらダメ」

ではなく、

「まずこのくらいから考えてみよう」

という目安です。

 



もっと大切なのは1日の合計

筋肉を増やしたい場合、

1回何gかだけを見るより、

1日でどれくらいタンパク質を摂れているか

の方が重要です。

運動をしている健康な人では、

体重1kgあたり1.4〜2.0g/日

がよく使われる参考範囲です。 

 



例えば体重70kgなら

1日1.6g/kgを目安にする場合、

70 × 1.6 = 112g/日

になります。

もし3食なら、

112 ÷ 3 ≒ 37g

です。

もし、

「20g以上は無駄」

と思って毎食20gで止めると、

20g × 3食 = 60g

になってしまいます。

つまり、

20gにこだわりすぎることで、

1日全体のタンパク質量が

足りなくなることもあります。 

 



かんたんに言うと

1回20gを守ることより、

1日分をちゃんと食べられているか

の方が大切です。

 



分けて食べた方がいい?

基本的には、

1日のタンパク質をある程度

分けて食べるのは合理的です。

例えば、

朝はほぼ0g、

昼も少ない、

夜だけ80g

より、

朝・昼・夜にある程度分ける方が

使いやすいと考えられます。

急性研究でも、同じ総量でも分け方によって

MPSが変わる例があります。

※MPSとは、 筋肉を構成するタンパク質を
新しく作り出す生体プロセス



でも3時間おきが絶対ではない

「3時間おきに食べないと筋肉が減る」

「20gずつに分けないと意味がない」

というほど厳密なルールは確立していません。

長期的に見て、

均等に分ければ必ず筋肉が多く増える

とまではまだ言えません。

 



100g摂った研究もある?

あります。

2023年の研究では、若い男性が全身筋トレをしたあとに、

0g、25g、100g

の乳タンパク質を摂りました。

その結果、

100gの方が25gより、

筋肉や全身のタンパク質合成反応が大きく、

長く続きました。 

これは、

「20gや40gを超えたら全部ムダ」

という説明とは合いません。

 



じゃあ100g食べればいい?

そういう意味ではありません。

この研究では、

25gと100gしか比べていません。

40g、60g、80gなどは比べていません。

しかも、

測ったのは12時間の反応です。

数か月後の筋肉量を測った研究ではありません。

だから、

100gが一番良い

とは言えません。 

 



かんたんに言うと

100gでも体はちゃんと使います。

でも、

100g食べたら100g全部が筋肉になる

わけではありません。

そして、

100gがベストだと決まったわけでもありません。

 



「筋タンパク質合成が高い」=「筋肉がたくさん増える」ではない

これも重要です。

筋タンパク質合成が一時的に高くなっても、

それだけで数か月後の

筋肉量が決まるわけではありません。

筋肉を増やすには、

  • 筋トレ
  • タンパク質
  • エネルギー
  • 睡眠
  • 回復
  • 継続

などが関係します。

急性MPSは大切な情報ですが、

それだけで長期筋肥大を決めることはできません。 

 



普通の食事でもいい?

もちろんです。

肉、魚、卵、乳製品、大豆などからもタンパク質は摂れます。

プロテインサプリメントでないと筋肉が作れないわけではありません。

ただし、食品によって、

  • 消化速度
  • アミノ酸の種類
  • 脂質
  • 炭水化物
  • 食品の形

などが違うため、

ホエイプロテインの研究結果を、

そのまま普通の食事に当てはめることはできません。

 



プロテインは何のために使う?

プロテインの一番大きなメリットは、

手軽さ

です。

食事だけで必要量を摂れるなら、

無理に飲む必要はありません。

逆に、

食事だけでは足りない、

忙しい、

運動後すぐ食事できない、

という場合には便利です。

 



減量中はどうする?

減量中では、

1回20gか40gかだけを見るより、

  • 1日の総タンパク質量
  • カロリー不足の大きさ
  • 筋トレ
  • 回復
  • 減量スピード

などを合わせて考える必要があります。 

 



腎臓への負担は?

健康で腎疾患のない成人では、

研究された範囲の高タンパク質食によって、

腎機能の悪化が一貫して確認されているわけではありません。 

ただし、

だからといって、

何gでも無制限に安全

という意味ではありません。

腎疾患やタンパク質制限がある場合は、

一般的な筋トレ向けの目安を

そのまま使わない方がよい場合があります。

 



では、実際にはどう考えればいい?

今回の内容を実際の食事に落とすなら、

順番はシンプルです。

① まず1日のタンパク質量を見る

1回20gかどうかより、

1日全体で足りているか

を先に見ます。

② その量を食事回数に合わせて分ける

3食なら3回。

4食なら4回。

自分が続けやすい形で分けます。

③ 1回20〜40g程度を目安にする

ただし、

上限ではありません。

④ 年齢や運動内容に合わせて調整する

高齢者や全身トレーニング後などでは、

高めの1回量を考える場合もあります。

⑤ 100g研究を新しいルールにしない

100gでも反応することは分かりました。

でも、

毎回100g必要という意味ではありません。

 



今回覚えてほしい4つ

① 20g以上でも吸収される

20gは吸収の上限ではありません。

② 筋肉に使われなかった=無駄ではない

体の中では、筋肉以外にも使われます。

③ たくさん摂れば必ず筋肉が増えるわけではない

短時間の反応と、数か月後の筋肉量は別です。

④ まず1日の合計を見る

1回量より先に、1日全体を考えます。

 



結論

「タンパク質は1回20gまでしか吸収できない」

「20gを超えた分は全部尿になる」

という考え方は、

現在の研究を見ると正確ではありません。

20gという数字は、

ある条件で筋タンパク質合成が

かなり高くなった研究から生まれた、

一つの参考値

です。

人間の吸収能力の上限ではありません。

一方で、

「20g上限が間違いなら、たくさん摂るほど良い」

という考え方も正しくありません。

大切なのは、

まず1日の総タンパク質量を確保すること。

そのうえで、

食事回数に合わせて分けること。

そして、

1回20〜40gや約0.3〜0.4g/kgは“目安”として使うこと。

高齢者や全身トレーニング後などでは、

高めの1回量が合理的な場合もあります。

でも、

100gが新しい正解になったわけではありません。

タンパク質は、

「1回何gまで吸収できる?」

ではなく、

「1日で必要な量を、どう無理なく分けて食べるか?」

と考える方が、ずっと実用的です。